着物の仕立かえ・寸法直し

着物は仕立て直して別の寸法にして着回すことを前提につくられています。生地を大切にする日本人の古き良きエコなアイテムです。

「洗張り(あらいはり)」とは

着物を仕立直すときは、ほとんどの場合、「洗張り」をします。
洗張りとは、着物を解き、反物に戻して、水洗いすることです。
着物は縫ってある糸を取り除くと全て四角でできた布になります。(洋服は沿ってカットした曲線のある布です。)四角でできた布をつなぎあわせると、もともとの反物(布が丸巻きになっている状態)に戻すことができます。
この反物になったものを水で洗い、張って乾かして伸ばすと、全体の汚れが落ちて、新品同様に生まれかわります。そして、新しい寸法に仕立直すのです。
これが<洗張り仕立>です
この洗張りをすれば、ある程度の汚れはおちます。もともと着物に含まれている糊(のり)成分も洗い落とされるので、紬ものなどは柔らかく着やすくなる。といったこともございます。

洗張りでおちないシミは別途シミ抜き費用がかかりますが、仕立たままよりも効果的なシミ抜きができますので、かなり綺麗になります。

※古いものは解いてみると外に出てた部分が縫い込みの内側にあった部分に比べて色が薄くなっている場合があります。これは紫外線で染料が分解して色あせてしまったことによるもので色ヤケといいますが、新しい寸法が元の寸法より大きくする場合、この色ヤケした部分とヤケてない部分の境界線がくっきりみえてしまってカッコわるいので、<ヤケ直し>をします。ヤケ直しは色を染めたしてヤケを目立たなくします。

部分寸法直し

着物を全部解いて、洗張り仕立をしなくても、裄だけ直せばいいという場合がございます。その場合は袖と身頃を繋ぐ部分(袖付け)のみを解いて,目的の寸法に直すということもできます。このほうが費用がかかりません。どこをどう直す必要があるか、ご相談ください。