価値あるふりそで・ほめられる振袖

今どきの振袖事情

最近の振袖は、昔と違う。という感触をお持ちの方もいらっしゃる事でしょう。柄や色、小物合わせはもちろんのことですが、それ以外にもいろいろと変わって来ています。 振袖販売店、レンタル店が写真サービスをセットにしたのに対抗に、写真店は振袖の無料レンタルを謳う。サービス競争とあくなきコスト競争の結果、代金の内訳は振袖そのものよりも、写真や着付け費用に割かれ肝心の振袖はというとコスト重視の品質無視。弊店からすると想像を絶する様々な振袖が登場しています 。
いかに安いものでも以前は絹100%はあたりまえでしたが、裏地が化繊だったり、表生地そのものがポリエステルのもの、また、絹の高騰もあり、絹は絹なのだけれど、ペラペラの薄いものあります。こういうものは、弊社では取り扱いがございません。
そんな今どきの振袖はどのように作られているかというと、友禅と呼ばれる伝統技法をおしのけ、インクジェット印刷による振袖が大量に出回っております。パソコンのプリンタのインクジェットプリンタです。紙のかわりに布に印刷しています。柄はパソコン上で描かれます。本来は絵心のある職人が絵を描いていて、色を筆でさしていき、別の職人が地色を染めて、、なのですが、今はオフィスでオペレータがパソコンとプリンタの相手をしています。このインクジェット染めは今や勢力を拡大しつつあります。インクジェットを否定するわけではありませんが、インクジェットなのに、京友禅とか伝統工芸の技法で染めていると謳っていれば問題です。もっとも、従来技法と思うような細工がされているのは、高級に見せるため、しかたないのかもしれません。インクジェットにしかできないデザインを追求する方向もあると思いますが、、。
とはいえインクジェットだろうと色や柄が気に入ればいいのよ。というご意見もわかります。全体のコストを考えた時、色々な価値観がありますので、トータルバランスで、インクジェット品をおすすめする場合もございます。インクジェット品の中でも色々あって、生地やデザインで弊社の許容範囲のものもございます。
今どき振袖事情をまとめますと、新しいものはインクジェット品が多数を占め、純手描き友禅はわずかです(その中間に手仕事の型染め品もありますが)。なのでインクジェット品をご覧になったとき、これなら20年以上前のものだけれども、お母様の振袖を着たほうがいいと思う方もいらしゃるのでないかな。と、そういう理由かどうかは定かではありませんが、お母様の振袖、いわゆるママ振袖を活用される方も多いです。 
京濱では、オリジナルの手描き友禅、手仕事の型染め友禅、お母様振袖の現代風コーディネートに関する小物類は常時ご用意しております。コスト重視のインクジェット品に関しては、年3回の振袖展にてご紹介ができます。___2019年9月更新